2015年11月12日木曜日

新刊『ワタが世界を変える〜衣の自給を考えよう』出ました!



新刊『ワタが世界を変える~衣の自給について考えよう』(田畑健著)が発売となりました。
出だし好調で、あちこちからご注文や「とてもいい本でした!」とのご感想を頂いています。

30年以上にわたり和棉を栽培し、チャルカ(糸車)を回し、「生きていくのに必要なものの生産を、他人の手にゆだねず、自分の手足を使って得る」暮らし方を提唱し続けた、ワタに生涯を賭けた著者の集大成ともいえる一冊です。
本書は、綿の歴史やガンジーの思想を通して見えてくる"近代機械文明の正体"を浮き彫りにする《思想編》と、
綿を種から栽培し、紡いで織るまですべての工程を解説した本邦初マニュアル《技術編》から成り、「理論」と「実践」の総合的な視点から綿についての理解を深められる内容になっています。

「一人でも多くの人に、特に環境問題や戦争と平和の問題に関心のある人、自給的な農的暮らしをめざしている人にはぜひ、この思想編・技術編を合わせ読み、物づくりの大切さ、その意味の深さについて、頭と身体を使って体感していただきたいと願っています」(本文「はじめに」より)

ワタのバイブルともいえる本書、ぜひお手にとって頂き、またご友人やご関心を持ちそうな方々にご紹介いただければ嬉しいです。

『ワタが世界を変える~衣の自給について考えよう』
田畑健著 地湧社刊 四六判並製 160頁 定価1944円(税込)

今日の経済格差の問題は、ワタの歴史を追っていくとすべて分かる。
食糧の自給だけでなく、衣の自給について考えることで、いのちの経済に目覚めよう。
(本書オビより)

<主な目次>
〈思想編〉今、なぜワタなのか?
プロローグ ワタとの出会い 〜人間らしい生活って何だろう?
町工場で考えたこと
ワタのあたたかさにふれて
人間らしい生活って何だろう

第1章 ワタの話 〜日本のワタと衣の現状を知る
ワタ栽培に取り組む/農家の蔵に糸車/ワタの種をまく人/農村の日常風景だったワ夕作り/なぜ、日本でワタがつくられなくなったのか?    /衣も「身土不二」/ワタ栽培には大量の農薬が使われる/現代日本人と「衣」

第2章 ワタが世界を変えた 〜イギリス産業革命を問い直す〜
産業革命は綿織物から始まった/社会を変貌させた産業革命/なぜ「衣」だったのか?/なぜ「ワタ」だったのか/原料供給を支えた奴隷制/強引につくられた市場/今日の経済格差の始まり/世界を巻き込んだ戦争へ/ワタが世界を変えた

第3章 ワタで世界を変える 〜ガンジーのチャルカの思想と実践〜
インドでワタを見つめ直す/ガンジー・アシュラムの暮らし/ガンジーと近代機械文明/インドも綿製品を工業化/チャルカの復活/ガンジーはなぜチャルカを選んだのか?  /チャルカの思想と非暴力は表裏一体/社会主義の道を選んだインド/自給自足と手工業の発展をめざした村づくり

エピローグ みんなが豊かに生きるには
人類史の二つの転換点/資本主義と社会主義は同じ穴のムジナだった/ひとりひとりが生活の基盤を持つ/誰もが飢えることなく豊かに幸せに生きる世界へ


〈実践編〉にっぽんのワタを紡ぐ
ワタの栽培と手紡ぎ手織りの方法

Part 1 日本のワタを育てよう
◆日本棉(和棉)と米棉について
◆栽培に適した気候(栽培の北限)
1 畑での栽培
畑の条件/肥料について/種まきの準備/さあ、種をまこう/土寄せ・除草はしっか
りと/追肥/摘心/水やり/開花・結実/いよいよ収穫です!
2 プランターでの栽培
はじめに/プランターを置く場所/プランターに入れる土/種まき/間引き/除草・
肥料(追肥)・水やり/摘心

Part 2 日本のワタを紡ごう
1 ワタ繰り
はじめに/手での繰り方/ワタ繰り機について/日本のワタ繰り機を使ってみよう
2 ワタ打ち
はじめに/ハンドカーダーを使った梳き方/竹の弓を使ってのワタ打ち/唐弓でのワ
タ打ち
3 篠づくり
はじめに/篠の作り方

4 糸つむぎ
はじめに/手で紡ぐ/コマで紡ぐ/チャルカ(ポータブルチャルカ)で紡ぐ/日本の
糸車(竹車)で紡ぐ/かせを作る/かせの精錬/かせののりづけ

Part 3 原始機で布を織ろう


<著者>
田畑 健(たはた たけし)
1951年東京都生まれ。81年、日本綿の栽培をはじめる。86年、東京の会社を辞め、千葉県鴨川市に移り住み鴨川和棉農園を開く。自然卵養鶏を営農の柱とし、米・野菜作りの他、綿製品の道具作りや自作の家造りにも取り組む。糸紡ぎワークショップなど主催。編著に『ガンジー・自立の思想 自分の手で紡ぐ未来』がある。2013年没。